インナーテラスのある家


設計当初、中庭が欲しいという希望がありましたが敷地に十分な広さもなかったため、中庭のような室内空間「インナーテラス」を提案しました。 インナーテラスは1階・2階の各フロアの中心でもあり、1階と2階をつなげる空間でもあります。そこから光が入るので、家全体を明るくしています。



玄関に入ると少し広めの土間があります。入って左側には、インナーテラスの下を利用した下駄箱があり、その上のガラスからはインナーテラスを見ることができます。 玄関ドアは縦縞のガラスになっていて外のシルエットが縦縞にそって映るので面白いです。

小物を飾るニッチも付いてます。


廊下の突き当たりにはキッチンに入るドアがあります。薄暗い廊下ですが、ガラスドアからほんのり光が差し込んできます。


キッチンはアイランド型になっていて、リビングの方を見渡すことができます。

クリーム色の珪藻土に、うすいグリーンの人工大理石がきれいです。


このキッチンは大工さんによる造作で、オープンな棚によるシンプルな構成です。

人工大理石のカウンターにロジェールのガス台・ホーローのシンクが埋め込まれています。

ロジェールのガス台はガラスのフタが付いているので、使用しているときは油が飛ぶのを抑えられ、閉めているときは調理スペースにもなります


キッチンの後ろにはインナーテラスがあり、その向こうに玄関が見えます。

インナーテラスは1階の床より1メートル20センチ上がったところにあるので、その下は電子レンジや、炊飯器を置くスペースになっています。


キッチンの床は作業側だけ、テラコッタ風のタイルが貼ってあります。

少し冷たいのですが、掃除がしやすいです。

リビングの反対側はガラス戸で仕切られた和室があります。

このガラスは小さい升目のガラスで、ほんのりとシルエットがでるので面白いです。

昔はよくあったガラスですが最近は限られたところでしか手に入らなくなっていて残念です。


少し小振りなリビングですが、インナーテラスの方に視線が通るため、少し広く感じます。


ここからのインナーテラスの眺めは、ソファーに座った視点になるため、キッチンから見た眺めとは、少し違った印象があります。


廊下からインナーテラスに行くテラコッタ風タイルの階段が見えてきます。

その横にはインナーテラス下を活用した物入れの入り口ドアがあります。

ここには手作りの革の取っ手が付いてます。


インナーテラスは室内にある外部空間というコンセプトで、天井には大きな天窓があるので外のような明るさがあります。外のテラスの植栽もインナーテラスから楽しめるように直接つながった窓があります。


インナーテラスは外部空間のイメージで床はテラコッタ風のタイルが貼ってあります。階段の手すりは手すり部分がそのまま支柱になっているデザインで鋳物で制作しました。

ちょっと地中海のような雰囲気がありますね。


ここからは、玄関・キッチン・リビングを上から眺めることができます。部屋にいるのとは違う視点で見ることができるのは楽しいです。

こうしてみるとここが家の中心にあることがよく分かりますね。



インナーテラスから2階に上がってきたところにはミシンコーナーがあります。机が作り付けられていて、外部テラスに出る掃出し窓があります。ここは一日中日当たりがよく、気持ちのいいところですね。



洗面所は木製のカウンターに洗面器を乗せたデザインになっていて、手元のみ乳白色のガラスブロックを使用しています。

洗濯機を入れるために生じた段差はタオルなどを入れる小物入れになっています。

ouchiya

千葉で住宅設計をしています。家電やガジェット、家具や雑貨など暮らしに関わる小物が好きです。そんな小物を生かした空間を作りたいと思ってます。

0コメント

  • 1000 / 1000