階段の寸法
いつも、仕事と関係ない話ばかりなのですが(笑)たまには設計者らしいお話を。
住宅の設計をしていて、自分の中で基準にしていることがいくつかあります。
その基準は家が狭かったりしても絶対守る重要なことだと思っています。
その基準のうちのひとつは、階段の寸法です。
階段で重要なことのひとつはそれぞれの段の高さと、段の板の幅のバランスです。建築用語ではこれを蹴上(けあげ)と踏面(ふみづら)といいます。この大きさは建築基準法では住宅の場合は蹴上が230ミリ以下、踏面は150ミリ以上と決まりがありますが、
ウチでは以下の通りにしています。
蹴上寸法は200ミリ以下にしています。(理想は180~190ミリ程度だと思います。)
踏面寸法は250ミリです。蹴上は、どうしても収まりきらず、200ミリまで大きくしてしまうこともあるのですが、踏面だけは必ず250ミリは確保しています。
踏面寸法というのは、蹴込(けこみ)という、次の段との重なり寸法を段板から引いた大きさです。蹴込み寸法は、通常20ミリ程度にしています。あまり深すぎるとつま先が次の段にぶつかりやすくなるので、この大きさも意外と重要。
踏面と蹴込の寸法を足した、段板自体の大きさは270ミリになります。このくらいあると、スリッパを履いていても無理なく上り下りできる大きさですね。
踏面と蹴上のバランス以外にも重要なことがもうひとつあります。それは、回り段(正方形を2つや3つに分割している段のこと)を付ける位置です。できる限り、回り段は付けない計画にするのですが、どうしても付けないとプラン上収まらないときは階段の一番下に付けます。どうしてかというと、一番転びやすいところなので、上の方に付けてしまうとそのまま一番下まで転げ落ちてしまうからです。
これらのことは、上るときに楽ということもあるのですが、どちらかというと下りるときに重要なことです。
自分の中では、子供を抱っこして下りても怖くない階段というのが理想の階段だと思って設計をしています。
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